気分本位だと生きづらい
自分に厳しい完璧主義者は,とても生きづらいものです。
そんな完璧主義者によく見られる価値基準が「気分本位」です。
気分本位とは,気分が良いから「OK」で,気分が良くないから「not OK」と,物事を気分軸で捉える見方です。
世の中,そんなに気分の良いことばかりでしょうか?
やるべきことをちゃんとしても,気分が良くなるかどうかは別問題です。
たとえば,あなたがサラリーマンで,その日のやるべき事として「顧客にメールを送り」「会議に出て」「取引先に訪問」したとします。
どうですか? やるべきことを実行すれば,必ず良い気分になれるでしょうか?
全てをこなした充実感に溢れている時もあれば,会議で準備不足を指摘され,気分が落ち込んでいる時だってあるでしょう。
つまり,自分がOKになれるかどうかは「賭け」みたいなものなのです。
これでは完璧な自分なんて,到底実現できません。
「目的本位」を使いこなすとココロが安定してくる
それに対して「目的本位」は,とても現実的な見方です。
つまり,物事に取り組むプロセスを定義して,それを達成した否かで成果を判断するのです。
プロセスとは,たとえば「部屋の掃除をする」「会議資料のドラフトを作る」「○○さんにメールする」などです。
達成できなくても,個々のプロセスが実現可能であったか?などを検討し,必要に応じてプロセスを再定義すれば良いのです。
このように物事をみると,私たちは日々膨大なプロセスをこなしています。
それを成果としてしっかりと感じとることが大切です。
「たとえ気分が良くなくても,それはそれとして受け止め,やるべき事をやる」
それでOKなのです。
どうしてもやるべき事が手につかない時は,より小さなプロセスでも構いません。
ちなみに,気分本位および目的本位は,わが国を代表する心理セラピーである「森田療法」における大切な考え方です。
興味のある方は調べてみてください。