こころのヒント

不登校は正解かもしれません

小手先の情報に振り回されないで

不登校に関心のある方はよく分かると思いますが,ネットが普及したこともあり,現在は不登校に関する情報が溢れています。

たとえば,ゲームに夢中になるのが良いとか悪いとか,昼夜逆転の生活をしても問題ないとか,学校なんて画一的な指導を強制する場だから行かなくて良いとか,子供には興味のあることだけをさせたら良い,といったようなものです。

私自身も,どれが正解かなんてわかりません。

だから,学校に通わないことが正解のケースもあると思います。

たとえば,全く学校に通うことなく,遊びばかりさせるとします。

もしかすると遊びの天才になり,それで食っていけるくらいになるかもしれません。

一方で,遊びの天才にはなれたものの,一般常識や教養が欠如していて,社会で生きていくのが難しくなるかも知れません。

実際のところ,何が正解かは,誰にも分からないのです。

少なくとも言えるのは,多くの親御さんは,子ども達が幸せに生きていくことを,ただ願っているだけということです。

親御さんは,なまじご自身がいろいろ経験してきたために,「こうするのが子供の幸せ」という生き方を(正しいかどうかはさておき)知っていて,それを子供にして欲しいと思っているのです。

親御さんの考えは,過去の経験や現実を鑑みた上でのものであり,ある程度の妥当性があるのは事実だと思います。

避けて通ってはいけないプロセス

しかし,何より大切なのは子供と正面から向き合う」ことです。

学校というシステムにどっぷり浸かり,そこを生き抜いてきた親御さんにとって,子供が学校に通わないことを不安に思うのは当然なことです。

だからこそ,しっかり取り組んで欲しいことがあります。

親御さんが抱いているその不安をありのままに伝えることを。
※ 慣れが必要ですが,伝え方として I(アイ)メッセージはとても有効です

真剣に向き合って,時にはぶつかり合った結果,学校に行かないという選択肢があっても良いです。その場合の不登校は,きっと子供の成長にとって大きな意味を持つことでしょう。

私が懸念しているのは,子供と向き合うというプロセスを抜かして,巷で仕入れた情報,たとえば『子供の自己決定に任せる』という事を真に受けてしまっているケースがあるように思われることです。これでは子供が決定に責任を持つことができず,精神面での成長を阻害してしまいます。結果,社会人や自分の家庭を持つという,責任ある立場になる時にツケが回ってきて,様々な問題へと発展することが少なくありません。

大切な事は,小手先のハウツー情報に振り回されず,親子間の真剣・親密な関係性を構築することです。平坦な道ではありませんが,避けて通ることなく,真剣に取り組むと自ずと道がみえてきます。カウンセラーなどいろいろな人の力を借りながらでも構いません。粘り強く取り組んでいく覚悟が必要です。

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