タイトルが刺激的で偏った内容を想像させますが,結論からいえば,なかなかの好著だと感じました。eスポーツの世界を冷静に分析し,バランスのとれた考察をしています。これがなかなか良いところをついているのです。失礼を承知で言えば,物事の捉え方が,私の感性に近いようです。eスポーツを絶賛するわけでもなく,不当に批判しているわけでもありません。そういう世界があるという前提で,どうすべきかという点に力点を置いているようです。ちなみに「eスポーツプレーヤー = 高学歴」ということではありません。詳しくは書籍をご覧ください。
本書を読めばわかりますが,一流のeスポーツプレーヤーになるには,全人格的な努力が必要になります。画面を見つめて,コントローラーさばきを鍛えるだけだと,たかがしれているというわけです。eスポーツもほかのフィジカルスポーツや,囲碁や将棋といったマインドスポーツと同じく,厳しくも奥深い世界があるようです。まだまだ世間的に(特に日本では)安定した立ち位置ではないものの,今後の発展が楽しみな世界です。