こころのヒント

うつ病になると寝てばかり?!

うつ病とはガソリンの入っていない車のようなもの

私がかつてうつ病であった頃,もっとも安心できた場所は『布団の中』であった。何もすることができず,ただ布団に潜っているしかできなかった。

何もすることができないというと,心が健康な方には理解し難いかもしれない。だって,食事をしたりトイレに行ったりできるだろう?と思われるからだ。確かに筋肉に意思を伝え,手足を動かすことができる。ただ,精神が完全にガス欠状態なのだ。動くだけで精神的苦痛が伴う。動かすということに意識を向けることさえ苦痛。とにかくじっとしているのが精一杯なのである。特に午前中はその傾向が強い。

どん底状態を経験しないと上昇もできない

うつ病になると(特に急性期の頃)私のようにずっと寝ている人が少なくないようである。きっと同じような状態であったのだろう。私の経験が全ての方に当てはまるわけではないが,この状態の時は,『布団に潜っている』という,周囲には絶望的にさえ見えるこの行為こそが,回復への近道であるように思う。あと個人的な感想で言えば,抗うつ薬(SSRIなど)は,一定の効果があった。薬を飲み続けるのことに抵抗のある人も多いと思うが,こと急性期に関してはうまく活用したほうが,脱するのも早いのではないかと感じている。

あまりにも寝ているだけなので,家族など周囲の方にとって最も不安なのがこの時期だと思う。私の経験が少しでも参考になればと願う。

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