こころのヒント

不登校の原因は本人ではない?

みなさんは不登校の原因と聞いて何を思い浮かべますか?

原因がお子さん自身以外であることが多い

いじめや学業不振などをイメージする方も多いと思います。ですが,実際にはお子さん自身に主たる原因が認められないケースも少なくありません。むしろ本人以外のところに原因があり,結果として不登校に至るということの方が多いのかもしれません。

安心できる家庭環境が必要不可欠

例えば両親の不仲もその一例です。子供にとって両親や家庭は安心・安全の源です。実は私が子供の頃,両親が喧嘩したことがありました。幸いにも一時的なものでしたが,大人になった今でも鮮明に覚えているくらい子供の心には大きな出来事でした。当時は学校が終わっても,家に帰りたくありませんでした。険悪なムードを感じるのが嫌だったのです。でも他に逃げるところがなかったので仕方なく帰っていました。こんなのが続くと気持ちが滅入ってしまい,ヘルプサインとしての何らかの行動を起こしたかもしれません。そう,私だって不登校になっていたかも知れないのです。

ここで文部科学省のデータを見てみましょう(平成13年度と少し古いデータです)。

不登校は結果であり,大切な事への警鐘

私がカウンセラーとして注目したいのは,原因やきっかけそのものではありません。たとえそれらがいかなるものであったとしても,子供にとって家族や家庭という環境さえしっかりしていれば,不登校に至らないケースもあるのではないかと感じることです。どんな自分であっても受け止め,サポートしてくれる存在があることで,乗り切れる困難もあります。それは,対象こそ変わりますが,大人も子供も同じです。もし不登校でお悩みなら,お子さんにとっての環境をしっかり見つめ直してみることもお勧めいたします。『我が家は大丈夫!』と思っている時ほど,注意してください。お子さんの発する小さなサイン,見逃しているかもしれません。いずれにしても不登校は結果です。原因が家庭環境のこともあれば,それ以外のことも当然ありえます。これを契機に『身の回りを点検しなさいよ』と受け止めた方が望ましい結果になることが多いと思います。

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