私が栃木で生活をし始めてもうすぐ3年になります。その間,うつ病を患い,休職を経験しました。そして今はこうやってカウンセラーをしています。これまでの経験で思ったことは,栃木は社会復帰に向いているということ。その理由を3点に絞って説明します。

■1視界が広い

説明するまでもないですが,栃木には多くの自然があります。海無し県なので,流石に海はありませんが,川や湖など,水と触れ合う場所は意外と多いです。また,山も多く,気軽に森に足を踏み入れることができます。そして,何より貴重だと思うのが,視界が広いということです。日頃から気軽に遠くを見つめることができるほど,ものが密集していないのです。見晴らしのいいところにいると,心がスッキリする感覚は,みなさんお持ちでしょう。社会から離れているという後ろめたさからくる心の淀みを,栃木の景色はリフレッシュさせてくれます

■2人口密度が低い

先ほどの『視界が広い』と少し関連しますが,人口密度が低いというのも栃木の大きな魅力です。どこに行っても,人口密度がそれほど高くありません。もちろん,観光地である那須や日光は,休日ともなるとそれなりの混雑度ですが,地元民はわざわざ混む時期や時間帯に行かないようです。私の場合,近場でくつろげるスポットをいくつかみつけて,折を見て楽しんでいます。大した場所ではありません。たとえば,人が異様に少なく快適過ぎるドトールコーヒー,景色の良い田んぼの畦道,近所の市民公園などです。そんな場所が身近にあるのです。人口密度が低いということは,それだけパーソナルエリアが広く,ストレスを感じにくいのです。つまり,余計なものに神経をすり減らすことなく,社会復帰に集中できる環境があるのです。

■3文化的活動が盛ん

どこの地域でもあるのでしょうが,栃木は,その田舎度(いい意味での)に反して,文化的活動が盛んな土地だと思います。インターネットをみると多くの団体が様々な活動をしているのを見つけることができます。自然体験,コーラスクラブ,異業種交流会,乗馬セラピーのボランティア,などなど,無料や低料金で楽しめるものが数多くあります。こういった情報は,ホームページやフェイスブックで見つけるのが一番容易ですが,昔ながらの方法としては,図書館等の公共施設においてあるチラシも,栃木では現役かつ有効なメディアです。私が最初に取り組んだボランティアは,図書館のチラシがきっかけでした。このような団体は,会社や学校とは異なる貴重なコミュニティです。いろんな年代,価値観,経歴の人がいて,刺激がいっぱいです。特に,何かをしたい何かきっかけが欲しいと思っている人には,うってつけの場です。こういった場でのネットワークが,意外にも栃木では大きな力を発揮します。大きすぎず小さすぎもしない栃木では,インターネットも重要ですが,やはり口コミ,人とのネットワークがものをいいます。コミュニティで知り合った人が,あなたの社会復帰に大きな力となってくれるかもしれません。逆に,自分が誰かの社会復帰を助けることになるかもしれません。この田舎度にして,これだけのレベルのコミュニティ活動があるというのは,大変貴重なことです。存分に活用しましょう。

いかがでしょうか。私が栃木に住んでいるのはたまたまなのですが,いいところに引っ越してきたものだと,いつも感じています。栃木でなかったら,まだまだ燻っていたかもしれません。こういう環境があったからこそ,動いてみようと思えたし,そして実際に動き,今の位置まで歩んでこれたのだと思います。おそらく,栃木以外にも,こういう環境はあることでしょう。あなたのお住いの地域も一度見なおしてみてはいかがでしょうか。