どうすればうつ病を克服できるのでしょうか?
このように悩む人は多いことでしょう。
あくまで私の経験上ということになりますが,うつ病を克服する第一歩は『うつ病をコントロールする』ことです。以下では,その理由と手段についてお話しします。

■急性期はクスリに頼る

症状が重いとき,たとえば抑うつ感が強く何もする気が起きない,ひたすら眠るしかできない,食事をとることもままならないなど,これらの症状があるときは,処方されたお薬をきちんと服用しましょう。このレベルの症状だと,どんな心理療法を施しても,どんな心構えをもってしても,改善が難しいです。きちんと休養をとりながら,お薬をきっちりと服用するようにしましょう。また,この時期は,ご家族のサポートがもっとも必要な時期です。可能な限りご家族に甘えさせて貰いましょう。恩返しは後からきっちりすれば良いのです。

■勝手な減薬はダメだけど・・・

調子が良くなってくると,やってしまいがちなのが,自己判断での減薬です。私も経験があります。抗うつ薬のパキシルを服用し,調子が良くなり始めた頃,勝手に飲んだり飲まなかったりするようになりました。結果,ぶり返したかどうかといえばよく分かりません。しかし,安定して良い調子が続いたかというと,そうではなかったような気がします。結論から言えば,医師の指示通りに服用するのが理想なのだと思います。しかし,患者の気持ちも大切です。なんとか良くしたいと思っているのです。できれば,薬に頼らず自力で調子を維持したいのです。だって,普通の人はそうだと思うから。その姿勢は重要です。なぜなら,自ら計画性を持って治療に取り組み,克服するという気持ちがないと,やはり克服は無理だと思うからです。自分でそう思っているからこそ,勝手に減薬も試してみるだろうし,そこで何か違うなと感じるから,医師の指示を守ろうと思えるのです。何もかも誰かにお任せだと,次の不調時に,また大きな不安に襲われることでしょう。でも,自分で克服したという経験があれば,それは自信になります。勝手な減薬をして失敗したという経験があるから,医師の指示であっても,自信を持って自分が選んだ治療法と思えるのです。これは自分の疾患をコントロール下に置くことに繋がります。こうなれば,次に不調がやってきたときにも,大きな不調に陥ることなく適切に対処することができるようになってきます。

■医師選びも重要

先ほどは,勝手な減薬を肯定的に書きました。しかし,医師によってはさじを投げられる可能性も有ります。指示を守れないなら,面倒見切れないと言われるかも知れません。多くの精神科医は,患者が勝手に減薬することは知っているでしょうが,そのような患者でも,粘り強くお付き合いをしてくれる医師に診て貰いたいものです。そこまでサポートできてこそ,一流の精神科医だと思います。教科書に載っている処方方針を患者に適用するだけの素人医師には引っかからないように気をつけて下さい。

いかがでしょうか?大切なのは,自ら乗り越えようとする姿勢です。医者任せにせず,自分でも情報収集をして,できれば医師と相談しながら治療を進める事が重要です。